風木部

溺愛「風と木の詩」

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

風と木の詩その33 第六章陽炎⑤

美少年愛好クラブの集会で暴行されジュールに保護されたセルジュ。 何事かと出て来たロスマリネは暗闇の中で血の匂いを嗅いで気分が悪くなりそうでした。 まだ電気は普及してない時代ですから夜ともなれば闇の深さは現代人には計り知れません。 蝋燭の灯り…

風と木の詩その32 第六章陽炎④

さて美少年愛好クラブの会合にのこのこ顔を出してしまったセルジュですが、もちろんこれは誰かの罠です。 「珍しい黒い果実」だなどとセルジュの肌の色を揶揄して貶めようとする悪意を持った第三者。 こういう卑怯者はどうせ面と向かって言えないんだから無…

風と木の詩その31 第六章陽炎③

その日、オーギュストが学院を訪問して来た事を知るとジルベールはセルジュの前から走り去ってしまいました。 ジルベールが焦がれるように待ち続ける人、オーギュスト・ボウ。 その切ない気持ちに気付きながら、セルジュは皮肉にもオーギュストの計らいで従…