風木部

溺愛「風と木の詩」

風と木の詩その14 第四章 ジルベール②

1874年、この年ジルベールは7歳になりました。絢爛豪華な海の天使城で、寝たい時寝て起きたい時に起き、衣服もろくに着けず動物のように自堕落に暮らしていました。生まれてから誰にもかえりみられる事のなかったジルベールにとって、初めて出来た家族(と言…

風と木の詩その13 第四章 ジルベール①

作者の過去のインタビューなど読みますと、連載当初ジルベールは読者から嫌われてしまったらしいですな。わがまま過ぎるとか、自由奔放過ぎるとか言われて。なんかわかるわ。風と木の詩はセルジュを主人公に据えてますが、作者が心底描きたかったキャラクタ…

風と木の詩その12 第三章 SANCTUS聖なるかな④

19世紀末のフランス。ジプシーの血をひき褐色の肌を持つ少年セルジュは、アルル地方にある名門男子校ラコンブラード学院に編入します。寮で同室になった少年ジルベールは、類い稀な美しさと自由過ぎる魂を持ち、まるで男娼のような暮らしを送っているのでし…

風と木の詩その11 第三章 SANCTUS聖なるかな③

カトリックには「告解」というシステムがあります。自分が犯した罪を神に告白して許しを得るものです。実際は司祭に告白するわけだけど、顔見知りだったりとかしたら、ちょっと言いづらかったりしないのだろうか。一応顔が見えないような工夫がしてあるらし…

風と木の詩その10 第三章 SANCTUS 聖なるかな②

さて、クリスマス休暇も終わり新学期が始まりましたよ。春の気配が感じられる日が多くなると、まるで何事もなかったかのように日常が戻ってきます。馬術の授業風景ラコンブラード学院では馬術の他に、フェンシングやフットボールなんかもやっていますね。け…

風と木の詩その9 第三章 SANCTUS 聖なるかな①

SANCTUS(サンクトゥス)とはミサ曲です。聖なるかな 聖なるかな 聖なるかな万軍の主なる神主の栄光は天地に満てりいと高きところに ホザンナ作者はウィーン少年合唱団のファンでした。あの天使の歌声を思いだしてみよう!第三章 SANCTUS━聖なるかな━はじま…

風と木の詩その8 第二章 青春⑤

クリスマス休暇にパスカルの家に招待されたセルジュは列車でリヨンまでやって来ました。今から列車に乗れば夕食には間に合うぞ、とパスカルが言っていたのでラコンブラード学院とリヨンはそれほど離れていない模様。ラテン語の得意な優等生を招待した、とパ…