名作漫画をレビューする
これが最後の演奏になるかもしれないと、万感の思いを込めルーシュ教授の前でピアノを弾くセルジュ。 ルイ・レネとワッツも見守っています。 ルイ・レネはセルジュのピアノを聞いてるうちに、なんだかアスランの事が思いだされつい涙ぐんでしまうのでした。 …
雪の降りしきるバルコニーで二人は抱き合いました。 しかしジルベールは会いたさだけで危険を犯してここまで来たわけではなかったのです。 ジルベールは死のうと言ってナイフを2本携えてきたのです。 死ぬなんて、セルジュは考えてもみない事でした。 でもジ…
オーギュストはジルベールの叔父ではなく実の父だった・・・!! ジルベールからそう聞かされたセルジュは驚きと共に怒りにうち震えてしまう。 ジルベールの方は意外にも冷静で、まあ身も心も捧げ愛してきた人が父親だったんですから、予想だにしない出来事…
前回はジュールがいい仕事したので、あんなに恐ろしかったアダムの影は跡形もなく消えてしまいました。 皮肉にもあの一件のせいでジルベールはセルジュの友人たちと打ち解け、セルジュ以外の人とも大体フツーに話せるようになりましたのよ。 ジルベールはい…
セルジュは森の中へ分け入りやっとジルベールを見つけ出しました。 けれどジルベールは寒い中を薄物一枚羽織っただけの尋常じゃない姿で、まるで風と戯れているような虚ろで儚い様子なのでした。 突然目の前にセルジュが現れ驚いたジルベールは身を翻して逃…
さて、カールの下宿に泊めてもらったセルジュですが、酔ってぶっ倒れたので自分が何をしゃべったのかよく覚えていない事がその後判明( ̄□ ̄;)!! 迷惑かけたからカールに謝らなくちゃって、あんたねえ あんな大変な事を打ち明けられたカールはそうとう悩んじ…
第七章 アニュス・デイ 始まり始まり~ 二人だけの世界を持つようになったセルジュとジルベール。 ジルベールはとても落ち着き、二人は充実した学校生活を送るようになりました。 よかったのお ある日、手紙を渡そうとする上級生をジルベールは突っぱねるので…
なんつーか、BLを見慣れた我々から見ると、セルジュのためらう感覚がちょっと違和感。 あんなに何度もキスしてるくせに本番はNGってわからんのお。 さて、カールのいる監督生室にやって来たセルジュです。 痛々しい姿はジルベールとの諍いでひっかかれた傷が…
あれから二週間、脱走事件は誰にもバレる事なく、秋は深まっていきました──── セルジュは、カールとパスカルにジルベールの事を相談していましたのよ。 ジルベールを連れ戻しはしたものの、彼の行動に頭を悩ませてると言うのです。 たとえば朝なかなか起きな…
ジルベールの叔父貴が婚約したんだって・・・相手はさる子爵家ゆかりの少女らしい・・・ セルジュは食堂でそう小耳に挟み「そんな馬鹿な」と愕然としながら、先ほどクルトから手渡された手紙を思い出し確認してみるのです。 手紙はやはりアンジェリンからで…
よう、セルジュ・バトゥールおまえに話があるんだ 部屋替えは月末までお互いよく考えてみよう、とワッツ先生は言ってたけど、ジルベールと同部屋になる事はあくまで拒絶する奴らでした。 セルジュだって、こんな奴らとジルベールがうまくやれるとは思ってい…
この二人は一体いつ結ばれるのだろうか。 結ばれる日など永遠に来ないのではないか。 そう思ってしまうほどここまで長かったのお。 けど時間経過で言えば、セルジュがラコンブラード学院に編入して来たのは1880年の11月で現在は1881年の9月、新学期が始まる…
「私も彼を愛してる」「きみには渡さない」それを知らせるためにここへ呼んだのだと、オーギュストは言いました。まるで人を寄せ付けない厳然とした様子にセルジュだけでなく読み手も言葉を失くしてしまう。なんかこう、この二人の間に誰かが入る隙などある…
突然二人に届いた、オーギュストからのマルセイユへの招待の手紙。 セルジュは少し迷いました。ジルベールが「嘘だよ・・・また・・・」って動揺し様子が変になったから。ジルベールを案ずるセルジュでしたが、ジルベールの心はと言えば既にマルセイユへと飛…
ご無沙汰しております。 いやー、夏休みに寮に残ったセルジュとジルベールが次第に心通わせていった前回。 ついに二人は結ばれるのかー!? との期待をヨソにして二人だけの楽しい夏を過ごしてましたね。 今回は、なんだかちょっぴりサスペンスタッチなんで…
夏休みが始まり生徒たちが帰宅していく中で、それぞれ事情があって家に帰れないセルジュとジルベールは寮で二人きりとなった。 誰もいない学校で静かに深まっていく二人の愛・・・ 思えばジルベールと同室となったばかりにセルジュはジルベールに振り回され…
セルジュが食堂にジルベールを連れて来た! 昨日はパスカルに「ジルベールとはもう距離を置くつもりだ」と宣言したばかりのセルジュでした。 それを聞いた時パスカルはそんな事がおまえに出来るのか?って顔をしていました。 ああ、昨日の今日なのに何とい…
前回のお話いかがでしたか? 自分から輪姦されるとわかっていて身を投げ出すジルベール、衝撃的でしたよね。 レオンハルトが「気が狂っている」と感じたのは、まともな神経を持つ者ならごく当たり前の反応に思います。 自分はジルベールが哀れになりました…
セルジュの腕の怪我はたいした事なく2週間も安静にしてればいいそうです。 更新が滞りましてすまんかった。 前回どんな話だったか覚えてる? オーギュのお膳立てでセルジュの為にサロンコンサートが開かれたのに、腕を怪我してて満足に弾けなかったんだね。…
セルジュは院長先生から、オーギュストがセルジュの為に友人の音楽院教授をパリから連れてきていると聞かされます。 演奏会・・・そんな突然! 急に言われたって困るよね。 戸惑うセルジュに院長先生は、君の将来にとって幸運な事だとか、父上の名誉回復(ア…
美少年愛好クラブの集会で暴行されジュールに保護されたセルジュ。 何事かと出て来たロスマリネは暗闇の中で血の匂いを嗅いで気分が悪くなりそうでした。 まだ電気は普及してない時代ですから夜ともなれば闇の深さは現代人には計り知れません。 蝋燭の灯り…
さて美少年愛好クラブの会合にのこのこ顔を出してしまったセルジュですが、もちろんこれは誰かの罠です。 「珍しい黒い果実」だなどとセルジュの肌の色を揶揄して貶めようとする悪意を持った第三者。 こういう卑怯者はどうせ面と向かって言えないんだから無…
その日、オーギュストが学院を訪問して来た事を知るとジルベールはセルジュの前から走り去ってしまいました。 ジルベールが焦がれるように待ち続ける人、オーギュスト・ボウ。 その切ない気持ちに気付きながら、セルジュは皮肉にもオーギュストの計らいで従…
青春の時がゆっくりと、だが確実に過ぎ去って行きます。 そんな止める事のできない時間の流れの中で、激しく熱くピアノに身をゆだねるセルジュの姿がありました。 セルジュのピアノは彼の思いのはけ口。己の叫びを音にして、彼の心の動きがまさに響いてくる…
さて、物語の舞台は再びラコンブラード学院に戻って来ましたが、前どんな話だったか覚えてる? セルジュに興味を抱いたオーギュスト・ボウに夕食に招待されしょうがなく行ったら、嫉妬したジルベールがぷんすかで「おまえなんか憎んでやる!」とか言ったんじ…
こんにちは、akです。 気まぐれ更新の風と木の詩ですが、現在はこの物語はちょうど折り返し地点の辺りまで参りました。 さて、次なる第六章では舞台は再びラコンブラード学院に戻ります。 その前にちょっとこれまでを振り返ってみませう。 これまでのざっく…
まるで導かれるようにアスランのピアノの前に立ったセルジュ。そのピアノを弾く事によってセルジュの深い悲しみは次第に癒されたのです。子爵家の後見人の肩書を得た伯母は、派手な社交パーティーを開催するようになりました。サロンの評判というのは女主人…
父が亡くなり、祖父も去ると、セルジュは母と二人きりになりました。 やがて冬が訪れる頃になると、母はよく寝込むようになっていました。 セルジュにはお腹に赤ちゃんがいると嘘をついていましたが、結核に感染していたのです。 アスランのお父さんも亡く…
───あれから二年の歳月が立ちました。アスランは父親になっていましたアスランはパイヴァと共にチロルの山村で暮らしていました。かつて、病気と闘うアスランの命をよみがえらせてくれた山々に見守られ、息子のセルジュを授かっていました。アスランはもうす…
娼婦であるパイヴァと恋に落ちたアスラン。アスランはこの時18歳。父親のバトゥール子爵からパリの屋敷を譲られたばかりで、来年は大学に入学し、いずれは父の跡を継ぐ、その前途は洋々たるものでした。パイヴァは17歳でしたが、社交界の大物をパトロンに持…