風木部

溺愛「風と木の詩」

名作漫画をレヴューする

09 風と木の詩その62 第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ⑨

ああ長かった二人の物語も、もうじきに終わります。 前回で、ジルベールがボナールと再会した事は二人にとっては転機でもありました。 もうセルジュには荷が重すぎるよっ。 たとえジルベールをボナールに託したとて誰がセルジュを責めるでしょうか。 でもジ…

08 風と木の詩その61第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ⑧

しんしんと降り積もる雪の中でジルベールはボナールと再会したのです。 この人はまあジルベールとは知らずに声をかけてきて、少年相手に今だにそういう犯罪まがいな事をしてるのだろか。 しかしまあ今この場でボナールに会えたのは神のご加護か天祐か。 凍え…

07 風と木の詩その60第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ⑦

読者諸姉よ、自分そろそろ書くのがつらくなって参りました。 この二人に穏やかな幸せは来るんだろうか。 思えばラコンブラード学院にいた頃はよかったなあ。 二人はもっと輝いてた気がする。 舞台となる学院の、聖堂や、寄宿舎や、古びた温室(ギムナジウム…

06 風と木の詩その59第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ⑥

セルジュがうれしそうに駆けてくる。 この知らせを早くジルベールに聞かせたくて。 セルジュはジョルジュ・ドレステのピアノ教室の助手の仕事を得たのです。 もちろん、セルジュにホの字の娘のマレリーの口利きがあったからではありますが。 でもうれしそう…

05 風と木の詩その58第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ⑤

「今夜仕事がひけたらこの場所へ来い」 ダルニーニはジルベールに紙片を渡しました。 自分の身に危険が切迫しているのをジルベールは感じました。 それゆえに自分の仕事が終わってもいつまでも帰らずにセルジュの近くにいたのです。 セルジュはその様子が妙…

04 風と木の詩その57第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ④

店の同僚からのイジメにより、ずぶ濡れになって馬車を探したセルジュは雨の中で倒れてしまいます。 セルジュはメンタル強いし、体力だってあるのに。 よっぽど心身共に疲れ果ててしまったんだろう。 まあこうなりますよね。 若いし世の中を知らないし生きて…

03 風と木の詩その56第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ③

セルジュが仕事に出てしまうと独りぼっちで部屋に残されるジルベール。 そりゃあ退屈だよねー、こんななんにもない汚い部屋でセルジュが帰ってくるのをただ待ってるなんて・・・ セルジュもその気持ちはよくわかるけど、だからってジルベールが自分と同じよ…

02 風と木の詩その55第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ②

あの人が わたしを胸に抱いてくれる時 すべての事が忘れられる あの人さえわたしを満たしてくれるなら あなたの愛の言葉が わたしのラ・ヴィ・アン・ローズ あなたゆえにわたしがいて わたしゆえにあなたが在る ラ・ヴィ・アン・ローズ あの人はそう言ってや…

01 風と木の詩その54 第八章ラ・ヴィ・アン・ローズ①

セルジュとジルベールはパリにいました。 リュクサンブール公園から程近いホテルの部屋の窓から外を眺めながら、ジルベールは雨があがったとセルジュに話しかけます。 外に出ようよ。 でもセルジュは浮かぬ顔で曖昧な返事をするだけ。 セルジュは問題を抱え…