風木部

溺愛「風と木の詩」

風と木の詩その35 第六章陽炎⑦

セルジュの腕の怪我はたいした事なく2週間も安静にしてればいいそうです。 更新が滞りましてすまんかった。 前回どんな話だったか覚えてる? オーギュのお膳立てでセルジュの為にサロンコンサートが開かれたのに、腕を怪我してて満足に弾けなかったんだね。…

風と木の詩その34 第六章陽炎⑥

セルジュは院長先生から、オーギュストがセルジュの為に友人の音楽院教授をパリから連れてきていると聞かされます。 演奏会・・・そんな突然! 急に言われたって困るよね。 戸惑うセルジュに院長先生は、君の将来にとって幸運な事だとか、父上の名誉回復(ア…

風と木の詩その33 第六章陽炎⑤

美少年愛好クラブの集会で暴行されジュールに保護されたセルジュ。 何事かと出て来たロスマリネは暗闇の中で血の匂いを嗅いで気分が悪くなりそうでした。 まだ電気は普及してない時代ですから夜ともなれば闇の深さは現代人には計り知れません。 蝋燭の灯り…

風と木の詩その32 第六章陽炎④

さて美少年愛好クラブの会合にのこのこ顔を出してしまったセルジュですが、もちろんこれは誰かの罠です。 「珍しい黒い果実」だなどとセルジュの肌の色を揶揄して貶めようとする悪意を持った第三者。 こういう卑怯者はどうせ面と向かって言えないんだから無…

風と木の詩その31 第六章陽炎③

その日、オーギュストが学院を訪問して来た事を知るとジルベールはセルジュの前から走り去ってしまいました。 ジルベールが焦がれるように待ち続ける人、オーギュスト・ボウ。 その切ない気持ちに気付きながら、セルジュは皮肉にもオーギュストの計らいで従…

風と木の詩その30 第六章陽炎②

青春の時がゆっくりと、だが確実に過ぎ去って行きます。 そんな止める事のできない時間の流れの中で、激しく熱くピアノに身をゆだねるセルジュの姿がありました。 セルジュのピアノは彼の思いのはけ口。己の叫びを音にして、彼の心の動きがまさに響いてくる…

風と木の詩その29 第六章陽炎①

さて、物語の舞台は再びラコンブラード学院に戻って来ましたが、前どんな話だったか覚えてる? セルジュに興味を抱いたオーギュスト・ボウに夕食に招待されしょうがなく行ったら、嫉妬したジルベールがぷんすかで「おまえなんか憎んでやる!」とか言ったんじ…